胃弱さんの食べ歩き

リーズナブルで身体によい外食と、その栄養についての情報を発信します。

【冷や汁5県比較】宮崎・埼玉・群馬・山梨・山形の冷や汁の違いと共通点

食の進まない暑い日は、さっぱりと食べられる冷や汁(ひやじる)はいかがでしょうか。

 

この記事では全国5県の郷土料理としての冷やし汁を比較して、その違いと共通点をお伝えします。

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夏バテ防止に冷や汁

輪切りのキュウリがのった冷や汁の写真(背景にご飯)

冷や汁とは、冷たいだし汁に味噌を溶き、きゅうりや大葉、みょうがなどの薬味を入れたものです。

 

これはどの地方の冷や汁も共通しています。

 

夏の農作業の軽食だった冷や汁

その昔、暑い夏の農作業の合間に、麦めしに味噌をのせ、水をかけて食べたのが冷や汁の由来です。

 

炎天下での厳しい労働の栄養補給に、簡単に食べられる生活の知恵として伝承されました。

 

冷や汁の優れた栄養素

冷や汁で摂れる栄養を調べてみました。

・水分補給(汁だけでなく、きゅうりは95%が水分)

・夏野菜のビタミンC、カリウム、ミネラルなど

・味噌のたんぱく質、乳酸菌、必須アミノ酸

 
栄養バランスが良く、夏バテ対策にもってこいですね。
 
籠に入ったきゅうり、大葉、ナス、瓜の写真

全国各地の冷や汁5選

冷や汁といえば、宮崎が圧倒的に有名ですが、全国各地に冷や汁文化があります。

 

では宮崎を皮切りに、全国の冷や汁をご紹介します。

 

魚のほぐし身と焼き味噌が香ばしい宮崎の冷や汁

宮崎県では、小学校の給食の献立に冷や汁があります。

宮崎の冷や汁のレシピは以下の通りです。

 

  1. 麦ごはんをたく。
  2. すりばちで白ごまをすり、白みそを入れてよくすって、すりばちをさかさにして火にあて、少しこげ目がつくまであぶる。
  3. ほぐしたあじの身を加えて軽くまぜ、だし汁を少しずつ加えてのばし、木綿豆腐を手でちぎって入れる。
  4. きゅうり、しその葉、みょうが、葉ねぎを3に入れる。
  5. あつい麦ごはんの上に冷汁をかける。

[引用元]冷汁 | 全国学校栄養士協議会

 

すり鉢を逆さにして火にあてる、とは大胆ですね。

 

他にも、魚のほぐし身、胡麻、味噌をすり鉢ですり、それをしゃもじにのせて火にあてるレシピもあります。

 

いずれも、焼いた味噌の香ばしさがたまりません。

木製しゃもじで焼いた焼き味噌の写真

 

宮崎の本格的な冷や汁をご家庭で。⬇️

 

 

 

宮崎風の冷や汁の食レポ記事はこちら。⬇️

mkana.hatenadiary.com

 

うどんのつけ汁、埼玉の「すったて」

埼玉には「すったて」と呼ばれる冷や汁があります。

 

 「すったて」の特徴は、キュウリや大葉、ミョウガもすり鉢ですること。「すりたて」を食すことが「すったて」の名の由来です。

 

「すったて」は、ご飯ではなく、うどんをつけ汁として親しまれてきました。

 

「すったて」が名物の埼玉県川島町は、かわべえというマスコットキャラクターを採用しています。

 

かわべえは「すったて」を作るすりこぎ棒を片手に持っていて、胴体は 「すったて」のお椀です。

 

川島町には「すったて」の名店がたくさんあるので、食べに出かけてはいかがでしょうか。

 

下記のサイトが川島町のグルメに詳しいです。

比企郡川島町(埼玉県)のうどん人気店まとめ〜名店から穴場まで〜 - Retty(レッティ)

 

埼玉風の冷や汁をご家庭でいかがですか。⬇️

 

川島町マスコットキャラクターかわべえ

川島町マスコットキャラクターかわべえ

 

きゅうりの名産地、群馬もうどん派

埼玉県と隣接する群馬県も、うどんのつけ汁として食べる冷し汁の文化があります。

 

「野菜王国ぐんま」は全国有数のきゅうりの生産地で、入山きゅうりや高山きゅうりなど、ご当地ブランドのきゅうりが栽培されています。

 

この群馬県産のきゅうりをたっぷりと薄切りにして、刻んだ大葉やネギ、ミョウガと共に味噌と胡麻の冷や汁に入れます。

 

魚は使わず味噌も焼かないので、調理に火が要らない「冷や汁うどん」として親しまれています。

 

山梨の冷や汁はシャキシャキの茂倉瓜入り

茂倉瓜の冷や汁の写真

茂倉瓜の冷や汁

[画像の出典元:農林水産省うちの郷土料理山梨県のホームページ]

茂倉瓜の冷や汁 山梨県 | うちの郷土料理:農林水産省

山梨県の冷や汁は、千切りの 茂倉(もぐら)瓜が入っているのが特徴です。

 

茂倉瓜とは、南アルプスのふもとの早川町茂倉地域で、明治初期より栽培されている瓜です。

 

太くてずんぐりした形の茂倉瓜は、きゅうりのような青臭さはありません。

 

 しゃきしゃきした食感の茂倉瓜を千切りにして冷たいだし汁に入れ、味噌や薬味を加えてご飯にかけて食べます。

 

[参考にした茂倉瓜に詳しいnote記事]

日本一小さな町のnote #14[実]|早川町観光協会

 

冬は雪菜を入れる山形の冷や汁

山形の冷や汁は、だし汁に干し貝柱の戻し汁を用い、凍みこんにゃく、干ししいたけを使います。

 

汁というよりおひたしに近い感覚で、四季の野菜を用いて1年じゅう食べられるのが特徴です。

 

温めずに冷たいまま食べる、質素倹約の料理として継承されました。

 

冬は米沢市の伝統野菜の雪菜を加えます。雪菜は、雪の下で寝かせて成長したとう(花の茎)の部分を食べます。

 

雪菜は別名を「かぶのとう」とも言われ 、シャキシャキした歯ごたえとツンとした辛みが冷や汁を一層美味しくします。

 

まとめ


【全国の冷や汁の共通点】

 ・真夏の労働の栄養補給に優れている。

 ・冷たいダシに味噌と野菜を入れる。

 

【地域による違い】

 ・野菜や魚は土地の特産物を使う。

 ・魚を入れない冷や汁もあり。

 ・麦飯かうどんも土地によって異なる。

 


暑い夏を健康に乗り切るための参考になれば嬉しいです。

 

[参考にしたサイト]冷や汁 宮崎県 | うちの郷土料理:農林水産省

 

夏バテ予防に関する過去の記事はこちら。⬇️

mkana.hatenadiary.com

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