「ごはんの時間だよ」と言っても見向きもしない。親や周囲の大人にとっては頭を抱える悩みですよね。
この記事では、食に興味がない子の心理と接し方について、岡本かの子の著書「鮨」を引用しながら解説します。
食べることに消極的な子、興味がない子の心理
私のいとこは、食に興味がない典型的な子どもでした。「海苔巻きのご飯しか食べてくれない」と、叔母はいつも嘆いていました。
いとこは茶碗に山盛りのご飯が怖いような事を言っており、海苔で小さく包むと、食べる気になるのだそう。

岡本かの子の短編「鮨」
似たような話を、岡本かの子の短編「鮨」で読みました。
鮨屋の常連客の「湊」が店の看板娘ともよに自分の幼かった頃の食についてのエピソードを語る場面です。
湊の家には召使いがいますが、母親以外の女の手で作ったものが汚らわしく思え、食事の時間が苦痛で仕方ありません。
ムリに食べようとすると吐いてしまいます。痩せ細っていく子どもを見て、父親は母親を責めます。
ある日、母親はきれいに洗った手と新品の道具で鮨屋ごっこをして子供を楽しませます。
それをきっかけに子供は何でも食べられるようになり、やがてたくましい少年に育ってゆくというストーリーです。
著者の岡本かの子は、芸術家岡本太郎の母。太郎の他にも息子と娘がいましたが、2人とも幼くして亡くしています。
明治生まれのかの子も、現代の親と同じような育児の苦労を重ねたのでしょうか。
子どもの心理や、鮨屋ごっこの楽しい様子がわかりやすい文章で書かれた短編です。一気に読めて、しかも無料なのでぜひ読んでみて下さい。
食べることが楽しい経験を。
食事の時間が恐怖だったり、いやな思い出がある子どもは、食への興味が育ちにくいそうです。
たとえば、食事のマナーや栄養バランスに厳しすぎると「食べることは楽しくない」と認識します。
食が進まない子どもを見て、周囲の大人が悲しそうな表情を見せたり、「食べなさい」と命令するのは避けた方がよいかもしれません。
たとえば、次のような体験をしてみてはいかがでしょうか。
- スーパーに一緒に行き、野菜や魚を見て会話をする。
- 一緒に食事やおやつを食べて「おいしいね」と共感のやりとりをする。
- 食にかかわる作業を一緒に行う。
大人も楽しみ、楽しい経験を共有しましょう。
料理研究家の故・小林カツ代さんはこんな言葉を残されました。
「できあいのコロッケでいいから食卓は明るく。」
食べるのが楽しくなる絵本のご紹介⬇️
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デコカレー

SNSでリラックマのお風呂カレーが流行った時期がありました。カレーのお風呂に幸せそうに浮かぶご飯で作られたクマさん。
子どもが大好きなカレーに着目し、食事が楽しくなるビジュアルを考えついた最初のデコカレー発案者はすごいですね。
きっと子どもの気持ちがわかる優しい人に違いありません。
親子で一緒にデコカレーを創作するのは、子どもにとって楽しい経験になります。近年は、野菜の収穫から取り組む食育を実践している保育園もあるそうです。
リラックマのお風呂カレーの写真を母に見せた日の夕食のカレーがこちら。元保育士の母の心に火が点いたようです。
【参考文献】KONOBAS
